鈴鹿10時間耐久レース 参戦レポート

約1400キロの長距離戦となった鈴鹿10時間耐久レース。

GT3の世界戦として、ヨーロッパやアメリカ、アジアのGT3レースで表彰台を獲得しているチームが集結し、まさにGT3の世界一を決める戦いとなった「SUZUKA 10H」 CARUY RacingはNSX GT3に新品エンジンを積み替えて、この長距離レースへ臨んだ。

レースウィーク初日の公道パレードは残念ながら台風の影響で中止となってしまったものの、午後の特別スポーツ走行・フリー走行・公式予選・レースと、無事に長いレースウィークは幕を閉じた。

そのSUZUKA 10HのCARGUY Racingの戦いをお伝えします。

レースウィーク2日目の24日金曜日。

前日パレードを中止に追い込んだ豪雨は止んだものの、強い風と85%以上という高い湿度、そして30度を大きく超える気温に体力が消耗する。

この日の走行は特別走行2時間、フリー走行2時間、夜間練習1時間半の、合計5時間半。

前日の特別走行2時間と併せて、レースまでに7時間半の走行となった。

夜間走行では走行台数の多いアイドラーズや照明設備の改修を行った富士24時間と比べ、やや暗い印象を受けた鈴鹿のコース上。

慣れない夜間の鈴鹿で、徐々にペースを上げていく。

走行から1時間が経過しようとしたとき、CAGUY NSX GT3は130Rでクラッシュ。

200キロオーバーでのクラッシュとなったNSX GT3だが、ドライバーの木村は幸いにも無事で、一同安堵する。

マシンは翌朝まで続いた作業で修復を終え、予選に間に合わせることが出来た。

諦めたら全て終わりだ。 過程と結果は必ずしも結び付くものではないが、何事も諦めない事。考えられるる限り100%の過程を踏むことが大事だ。

そうやって重ねた過程が必ずいつか、100%の結果となって返ってくる。

公式予選はQ1を、登録した3名のドライバーそれぞれが15分ずつアタックし、書くベストタイムの合算で順位を競う。

そのうち上位20台がQ2、いわゆるポールシュートアウトへ臨む形式で行われた。

Aドライバー木村からスタートし、横溝、ケイとアタックを重ねる。

全体的に4脱が多くみられる中、CARGUY NSX GT3の3選手とも丁寧なドライビングを重ねた。

Q1予選結果は25位とQ2への進出は叶わなかったが、Pro-AMでは3番手とまずまずの結果に思われた。

が、急遽オフィシャルにより、T14(スプーンカーブ立ち上がり)でのあまりにも多い4脱の検証が追い付かず、4脱でのタイム抹消をされた全車が復活し、それらを含めた24台全車をQ2へ進出させるという前代未聞の予選結果となった。

その結果、タイム抹消された2台が繰り上がったことでCARGUY RacingのQ1結果は27位に繰り下げとなる。

レース当日。

朝8時から走行したウォームアップでも問題は無く、27番グリッドでスタート位置に着いたCARGUY NSX GT3。

10時間後のレースへ向けて横溝がスタートドライバーを務めた。

緊張のスタートはクリーンスタート。 ライバルの各車も大きなトラブルなく、レースは始まった。

JAF-GT勢が車重の軽さと、重いGT3用に開発されたピレリDHD2とのマッチングに苦しむ中、CARGUY Racingはブランパンやスーパーカーレースで乗りなれたピレリタイヤに、ドライバーもいち早く適応する。

60週目を超えた頃、接触による130Rで大クラッシュが発生。

大破したマシンがエスケープに留まる中、フルコースイエローが宣言され、コース上に80キロの制限速度が指示された。

2周回目を迎えないうちにセーフティカーの導入が決まる。

このSCと、ドライブスティントのドライブスルーペナルティを受け、1周回分のロスを生んでしまったものの、3選手ともに安定したレースラップを刻み続けた。

3選手ともに自己ベストを更新。

ナイトセッションではケイが3台のNSX GT3の中でもトップタイムとなる2分5秒242をマークし、10時間のチェッカーを受けた。

HONDAさんの多大なるご協力もあり、無事に完走を迎えられたSUZUKA 10H。

この最高に格好いいNSX GT3を格好よく走らせていけるよう、CARGUY Racingは次のレースの準備に向け、ファクトリーでの作業をスタートさせた。

SUZUKA 10H リザルト 総合 23位/35台 クラス 7位/12台