アイドラーズ12時間耐久

やっぱり耐久レースは面白い!!

2018.7.28 アイドラーズ12時間耐久レース(ツインリンクもてぎ)

 

夏の風物詩といえば何を思い浮かべるだろう?

花火、風鈴、夏祭り、海水浴、BBQ・・・

思い浮かべるものは人それぞれだろう。しかし、全てに共通して言えるのは「仲間たちと楽しむ」という人の欲求の根底が溢れている季節が「夏」ではないだろうか。

そしてアイドラーズもまた、参加者全員が「車遊び」「サーキット」「レース」「仲間との思い出」といった様々な要素を心から楽しめる夏の風物詩である。

 

CARGUY Racingは、HURACAN GT3/木村、山﨑、奥村、野間 CARGUYチームと、HURACAN SuperTrofeo/松下、高屋敷、佐藤、姜 カスタマーチームの2チームを投入して12時間を戦った。

 

台風の影響で前日の晴れ間が嘘のような大雨となったもてぎ。

しかしそれも、レーススタートが近づくにつれて雨脚も弱まる。アイドラーズ12時間耐久に集まった熱気が台風を吹き飛ばし、いよいよスタートが切られた。

 

アイドラーズは一回の給油量が上限20Lと決められており、さらに給油を伴うピットストップは5分間の停止が必要という独自のレギュレーションが、ただ速いだけの車ではレースを勝てなくさせている。

つまり、車が壊れないということは当然にして、燃費の良さ=12時間の中で限りなく給油回数を減らし、なおかつラップタイムもそれなりのタイムをコンスタントに求められる。

CARGUYはこれまで、ケーターハムやVITA、S2000、メルセデスAMG GTRなど様々な車でアイドラーズへ挑んできたが、そのどの車でも、どれかの要素が圧倒的に足りず勝てなかった。

速さと燃費のバランスが完璧でなければ勝てないのだ。

 

そこで去年から投入しているHURACAN GT3は、名だたる耐久レースの実績から、信頼性は問題ないと判断。

万が一の接触時や故障時の復旧の速さも、市販車に比べてレーシングカーの方が、車両に張り巡らされた自己診断システムとパーツの交換の速さに特化している分アドバンテージがある。

ネックなのは燃費だ。

それも燃料消費量を常に監視できるため、ドライバーから無線で伝わるそれをもとにして、エンジニアが毎ラップ事に12時間の間ひたすら計算を繰り返し、理想のラップタイムやアクセルコントロールをドライバーへ伝え、ドライバーがそれを実現することで理論上は可能な優勝を狙っていく。

まさに針の穴を通すような作業の連続だ。

 

元々はロードカーで走行会を楽しんでいたメンバーが、チューニングカーやカップカーでのレース経験を経て、CARGUYが展開している『SuperTrofeoのレンタルサービス』で本格レーシングカーのSupreTrofeoに乗っていただいたことで発足した新進気鋭のレーシングチームが、07号車SuperTrofeoのCARGUYカスタマーレーシングチームだ。

このSupreTrofeoに乗ったドライバーたちは「レーシングカーを一度知ってしまうと、どんなチューニングカーもどんなスーパーカーも、ブレーキと脚が決定的に違う。その差が大きすぎて、もうレーシングカー以外でサーキットを走れなくなってしまう」と口を揃えて言う。今回のチームも何度もSuperTrfeoと、CARGUY FACTORYでの「レーシングシミュレーター」を使ったトレーニングを経験してきて、安定した走りを披露していた。

レースは順調に推移していたが、途中SuperToefoにエンジントラブルが発生。

エンジン関係のセンサーを交換し復旧したものの、続いてクーラントのホースが破けて再度緊急ピットインを余儀なくされ、修復するものの順位を大きく後退させることになった。

コースに復帰した後は順調に周回数を重ね、最後は松下でチェッカーを受けた。

 

777号車GT3は20分に一回、給油でピットに入る必要がある。

毎回の給油を早め早めに行うことで徐々にガソリンの貯金を作り、最後のドライバーがトップを狙うべく、全開でアタックを

作戦で走り続けた。

スタートから11時間が過ぎ、最後の給油とドライバーチェンジを行ったGT3

最終ドライバーはル・マンドライバーの木村がアタックをする。

ガソリンを使い果たす計算で、これまでの燃費走行から一転トップの猛追を始めた。

そして最終ラップ。

「すみません、2位の車へは届きません。3位の車を追い越したらセーブしましょう」

ピットから木村へ、無線が飛んだ。

木村は最後まで踏み続けたが、総合3位でチェッカーとなった。

 

HURACAN GT3にHURACAN SuperTrofeoの2台体制。

エンジニアやスペアカーの用意と、S耐やSUPER GT以上のチーム体制で臨んだアイドラーズ12時間。

これだけガチの体制でも勝てない奥ゆかしさや面白さが、一年に一度のツインリンクもてぎにある。

今年も、アイドラーズ12時間耐久の夏が終わった。