2024-25 ALMS R1 & R2 Malaysia

12月5日~12月8日
セパン・インターナショナル・サーキット
マレーシア・セパン
CARGUY #57 Ferrari 296 GT3
Yudai Uchida / Esteban Masson / Daniel Serra

ALMS初戦を優勝で飾る

アジアン・ル・マンシリーズ(以下ALMS)の初戦をCar Guyのエントラント名で勝利。幸先の良いシーズンスタートを切る。


2024/25 シーズンはマレシーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開幕した。

今期のALMSはスイスの名門チームでもあり長年木村と共にELMSでもタッグを組んでいるKESSEL と共にエントリー。ALMSではCar Guyのエントラント名で登録している。

ALMSでは1つの週末に2つのレースを行うフォーマットとなる。レース1を優勝、レース2はリタイアという結果だったが、初戦を優勝で飾り大きなインパクトを残した。

今回のラウンドでは、木村は長女の結婚式の為欠場。代わりに木村の友人でもあり、フェラーリ チャレンジでのレース優勝経験もある内田優大にステアリングを託した。

PRACTICE

テスト1ではALMS初参戦となる内田は基本的な操作やスタート、ピットストップや赤旗、FCY時のスピード操作などの確認を実施。途中赤旗中断を3回挟みながらも走行を続け、テスト2も順調に車輌の確認を行なった。

PRACTICE1ではダニエル・セラが31週目にマークした2:05.841がチームのベストタイム。全体7位という結果。上位5台のうちフェラーリが1-3位を独占、続く4位、5位がポルシェという結果になった。

PRACTICE1ではセラが31周目にマークした2:05.841がチームのベストタイムとなり、このタイムはクラス全体の7番手という結果だった。

内田のこのセッションでのベストタイムは2:10.899。ブロンズドライバーの中では19番手のタイムだった。他のドライバー達は10から18周走行しタイムを刻む中、内田はたった8周の走行で出したタイムであった。

続くPRACTICE2では内田は予選を想定した走行を実施。新品タイヤで2:06.997と4秒近くもタイムを縮め、ブロンズドライバーの中では8番手のタイムをマーク。予選への期待が募る。

このセッションでもセラが記録した2:06.416がチームのベストタイムとなり、クラス全体で見ると6番手のタイムだった。

QUALIFYING

1つの週末に2レース行うALMSでは予選のベストタイムがレース1のグリッドを決め、2番目に速いタイムがレース2のグリッドを決める。そのため予選では安定したラップを刻むことが求められる。

内田は5ラップ目に前日のベストタイムを更新する2:05.961をマーク。続く6ラップ目に2:05.562で更にベストラップを更新する事となり、レース1、レース2共にグリッド5位からのスタートを勝ち取ることが出来た。

RACE 1

レース1は気温35度、路温56度でスタート。

2番グリッド28号車がシルバーでスタートするが、それ以外はブロンズドライバーでのスタートを選んだ。

スタート直後からすぐに波乱な展開が続く。1周目、ターン2で前方車輌がスピンをし、後続車は行き場がなくなり57号車内田もコースアウトしながら何とか10番手で復帰。

3周目、ターン1で57号車内田は前方を走る23号車のインに入るが23号車がイン側に切り込んでくる形で接触。この混乱で内田は13番手に後退しただけでなく、フロント右側のカナードを破損してしまう。しかしここから内田の追い上げが始まった。

7周目に12号車と交錯した79号車を抜いて12番手に浮上すると、続く8周目コースアウトした77号車を抜いて11番手へ。そして10周目にはさらに1台抜いて10番手まで戻って来た。

12周目にはバーチャル セーフティーカー(VSC)が導入される。

この時点で、内田の前を走行するのは92号車。FCY 2周目にピットに入る予定だったが、エンジニア陣の判断でFCY 1周目でピットイン。この時点でレース開始30分を経過しており、乗車時間的にもブロンズドライバーに課される最低走行時間を1スティントで走破できる計算となる。

この戦略は見事にハマり、コースがグリーンに戻ってレース経過から60分を過ぎたころには内田はスタート時点の5番手まで順位を上げる事に成功した。そして4番手まで順位を上げたところでマッソンにドライバーチェンジを行なった。

その後、チームは実質51号車Ferrari 296LMGT3との一騎打ち状態となる。この時点で51号車はシルバードライバーが残っており、57号車はプラチナドライバーのセラが残っていた。双方の速さの違いから初戦優勝の可能性をチームが感じ始めていた。

しかしその最中、チームへドライブスルーペナルティが課された。このペナルティは最後に走行するセラの最低走行時間1時間15分を確保できていないためだった。

マッソンはドライブスルーペナルティを消化したが、共にトップを争う51号車も同様にドライブスルーペナルティが課されピットイン。そのタイミングで遂に57号車CARGUYがトップに立った。

そして最後のドライバーであるセラの巧みで安定した走りによりそのままチェッカーフラッグを受け見事優勝を果たした。

木村の代役を務めた内田は「木村選手のご息女の結婚式に優勝という贈り物ができて本当に良かった。明日も頑張ります!」とコメントし、レース1を締めくくった。

RACE 2

前日の興奮も冷めやらぬままレース2は気温36度、路温53度でスタート。

グリッド上は後方の1台を除きブロンズスタートとなる。57号車は5番手グリッドスタート。

前日のレース1ではフェラーリが表彰台を独占したこともあり、BOP(性能調整)の見直しが行われフェラーリ勢は重量+15㎏とブースト-0.06が課された。

この日はスタートから厳しい展開を強いられる事となった。

スタート1周目で7番グリッドスタートの16号車に抜かれ6番手に。

そして3周目、 ターン14からバックストレートで87号車、51号車に抜かれ9番手、 そしてターン15最終コーナーで96号車と接触があり23番手まで後退してしまう。

その後順位を取り戻そうと努めるが、9周目ターン15の入り口手前、前方を走行する42号車にインから仕掛けたところ減速しきれずに42号車と接触。

自力でピットに戻ってきたものの、チームとしては時間内に修復する事は出来ないと判断。苦渋の選択ではあるがリタイアとなった。

レース1では優勝、レース2ではリタイアというまさにジェットコースターの様な週末ではあったものの、シーズン初戦を優勝で飾り、鮮やかな印象を残したCARGUY。

これでシリーズランキング3位、トップとのポイント差は10点と好スタートを切った。

次戦は現地時間2月8日にドバイで開催される。ドバイ戦からは木村も復帰し栄光の頂点を目指してシーズンをスタートさせる。

今期も木村とCARGUYの走りから目の離せないシーズンとなるだろう。

2024-2025 ALMS RACE CALENDAR
RESULTS
SessionPositionBest LapDriver
Private Test 1P14 (of 25)2:06.265D. SERRA
Private Test 2P5 (of 25)2:06.263D. SERRA
Free Practice 1P7 (of 25)2:05.841D. SERRA
Free Practice 2P6 (of 25)2:06.416E. MASSON
Qualifying GTP5 (of 25)2:05.562Y. UCHIDA
Qualifying GT
(2nd Fastest)
P5 (of 25)2:05.961Y. UCHIDA
Race 1P1 (of 21)2:05.768E. MASSON
Race 2RET2:08.778Y. UCHIDA

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R1, R2 MALAYSA

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R3, R4 DUBAI

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R5, R6 ABU DHABI

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