2024 WEC R4 France: 24 Hours of Le Mans

6月12日~16日
サルト・サーキット
フランス、ル・マン
Akkodis ASP Team #87 Lexus RC F LMGT3
Takeshi Kimura / Esteban Masson / Jack Hawksworth

残り数時間のところで表彰台を逃すも、Akkodis ASP がダブルポイントを獲得

第 92 回ル・マン 24 時間レースは、レギュラードライバー変更と長いセーフティカー走行に見舞われる厳しいレースとなった。62 台の車輛と 186 人のドライバーが集う WEC シーズン最大のレースに329,000 人の観客が押し寄せた。Akkodis ASPが走らせる2 台のLexus RC F LMGT3は日曜日のチェッカーフラッグが振られるまで走行し、78号車 は 7 位、87号車 は10位で両車共にトップ10入りを果たす。


TEST DAY
(Sunday, June 9)

トヨタが走らせるハイパーカーに乗るマイク・コンウェイがレースウィーク前週の木曜日、自転車事故により負傷。コンウェイはレース出場不可となり、トヨタは彼の代役ドライバーとして87号車のホセ・マリア・ロペスを起用することを決めた。これに伴い87号車はロペスの代役ドライバーとして2023年IMSA-GTDプロチャンピオンのジャック・ホークスワースを起用した。ホークスワースとエステバン・マッソンは、ともに13.6kmにも及ぶサルトサーキットを初めて走行することになった。

マッソンは最初のセッションで4:00.668という好タイムをマークしたが、セクター1と2ではホークスワースがマッソンのタイムを上回った。


ル・マン24時間レース出場6回目の木村は、テストの最後に走行したが、最初のタイム計測ラップでダンロップシケインを過ぎると突然エンジンが停止した。原因は燃料ポンプの配線ハーネスの不良によるものだった。

木村は2回目のテストセッションでようやくLexus RC Fでのサルトサーキット初走行を果たした。このセッションでの木村のベストタイムは4:05.108だった。


FREE PRACTICE 1 & 2, QUALIFYING
(Wednesday, June 12)

フリー走行1は、コースに慣れるためホークスワースが多く周回を重ねた。

木村は中古タイヤと新品タイヤでロングランを行うが、残念ながら新品タイヤが温まってきたところで赤旗が振られた。走行再開後、木村はコースの境界とトラックリミットが頻繁に起きている箇所を何度も確認しながらテストを行う。

最後に、予選シミュレーションでマッソンはこの日のベストタイム3:57.808を記録し、このタイムはLMGT3クラスのトップタイムとなった。


予選はコースに慣れてきたマッソンが担当。ロペスに代わりチームを牽引する役目を担った。

セッション中、何度もトラフィックに引っかかりクリアラップを取るのに苦戦。すべてのセクターで自己ベストタイムを連続して出すことは困難を極めたが、マッソンが最終的に記録したベストタイムは3:56.561で、このタイムはハイパーポール進出までわずか0.087及ばないタイムだった。

これで87号車のスタートポジションは10番手となった。

一方隣のガレージでは、ケルビン・ファン・デル・リンデも1時間の予選の後半で苦戦。予選セッションに参加した22台のうち、78号車は21位に留まった。


この日最後のセッションは、初の夜間練習となった。レースに出場する条件として、全ドライバーが夜間走行を5周以上こなさなければならない。 木村は日が沈む頃に車輛に乗り込んだ。夜間走行の経験豊富な木村は7周の走行をこなし、ベストタイム4:03.162をマークした。夜間走行に自信のあるブロンズドライバーは間違いなく有利だ。


FREE PRACTICE 3 & 4, HYPERPOLE
(Thursday, June 13)

木曜日の最初のフリー走行では、チームはロングランに集中したが赤旗や低速ゾーンによって頻繁に中断されることとなる。そんな中、好タイムを狙っていなかったにもかかわらず87号車はクラス8 番手のタイムでフィニッシュ。78号車も9番手タイムでフィニッシュし、決勝に期待が膨らむ結果となった。

ハイパーポールでは、70号車 Inception Racingがポールポジションを獲得。さらに27号車 Heart of Racing (5 位) と 777号車 D’Station Racing (6 位) の 2 台のアストンマーティンの間には 3.132 秒の差があり、これは木村がハイパーポールに進んでいれば上位でフィニッシュできていた可能性があったと伺わせるタイムだった。

決勝前最後の練習走行(4回目)では、マッソンが夜間走行のバランスを確認するためにセットアップされただけであったが、見事にセッション最速タイム 3:58.755 を記録。夜間走行はリスクを伴うため、チームはセッションの後半は参加せず土曜日から始まる決勝に備えた。


DRIVERS’ PARADE
(Friday, June 14)

ル・マン24時間レース参戦6回目の木村は、現地での知名度も上がり「KIMURA!」や「TAKESHI!」と投げかける声も多く聞かれた。木村が代表を務める株式会社ルーフ及び株式会社カーガイの顧客やスタッフも応援に駆け付け、大いに盛り上がるイベントとなった。


RACE
(Saturday-Sunday, June 15-16)

レース前のウォームアップ走行中、78号車が7号車トヨタ ハイパーカーに追突されるアクシデントが発生。78号車に乗っていたファン デル リンデに過失があったと判断され、78号車はピットレーンからのスタート、更には最初のピットストップで 2 分加算のペナルティを強いられる。

87号車のスタートはホークスワースが担当し、グリッド 25 列目10番手からスタートした。16時から始まったレースは好天の下でスタートしたが、17時30分頃には雨が降り始める。

マッソンに交代後、雨は長く続かないだろうとチームは判断。みるみる変化するコンディションの中でマッソンは必死にスリックタイヤで走行を続けた。そして31周目を迎える頃、87号車は遂にトップに立った。


雨が止み、ドライコンディションに変化する頃木村に交代し木村の6度目のル・マン24時間レースが始まった。木村はトータルで9スティント走行する必要があり、最初のスティントでは3スティントを連続でこなす戦略だった。木村は走行開始後安定したタイムで走行し続け、大きく順位を下げることなく3スティントを無事終えた。

その後ホークスワースとマッソンは暗闇の中での走行を続ける。雨が降っては止み、SC(セーフティーカー)も何度も導入された。87号車は、給油、タイヤ交換、ドライバー交代が続く中トップ6のポジションを守り続けた。

午前 2 時頃、木村は予定されていたダブルスティントのため車輛に乗り込んだ。このスティントが終わればすでに 5 スティントをこなしていることになるので、チームは日が昇り明るくなる頃まで木村を休ませる予定だった。

しかし木村のスティント終了40 分後、長時間のSC導入が予想される大きなアクシデントが発生。木村は急いで車輛に乗り込みSC導入中のスロー走行をこなすことに。視界がほぼゼロになるほどの大雨が降る中、SC導入は4時間半にも及んだ。これで木村はブロンズドライバーの必要最低走行時間を消化した。信頼する2名のプロドライバーにバトンタッチし、木村は残りのレースを見守る。


ホークスワースとマッソンは 3 スティントを交互にこなした。87号車は一貫してトップ 4 で走行を続け、ABSシステムが故障するトラブルに見舞われながらも少なくとも表彰台に上がれる可能性が確実に見えた。

残り 2 時間半を切ったところで、87号車のボンネットが突然跳ね上がるアクシデントが発生。走行中だったホークスワースは緊急ピットインし修理を施したが、コースに戻る頃には9番手まで下がってしまいレースが終わる頃には 10 番手となってしまった。

しかしフランス出身のマッソンは母国の観衆の前で無事に10位完走、87号車は遂にWECで初めてとなる8ポイントを獲得した。

78号車はピットレーン スタートと多数のタイムペナルティを受けたにもかかわらず、見事に 7 位でフィニッシュし16 ポイントが与えられた。

長いレースウィークを通じてメカニック、エンジニア、そしてドライバーは、Lexus RC Fの潜在能力を大いに示すことができたと実感できたほどには素晴らしいパフォーマンスだった。

木村は「22時間までは本当に幸せな時間だった。まるで夢の中にいるようだった」とコメント。木村の挑戦はまだまだ続く。


WEC 2024第5戦目は7月14日ブラジル・サンパウロで行われる。

インテルラゴス・サーキットの愛称で知られるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェでの奮闘に期待したい。

RESULTS
SessionPositionBest LapDriver
Free Practice 1 Test DayP2 (of 23)4:00.668E. MASSON
Free Practice 2 Test DayP23 (of 23)4:05.108T. KIMURA
Free Practice 1P1 (of 23)3:57.808E. MASSON
QualifyingP10 (of 23)3:56.561E. MASSON
Free Practice 2P12 (of 23)3:59.959J. HAWKSWORTH
Free Practice 3P8 (of 23)3:58.951J. HAWKSWORTH
Hyperpole
Free Practice 4P1 (of 23)3:58.755E. MASSON
RaceP10 (of 17)3:58.996E. MASSON

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