2024 ELMS R6 Portimão

10月16日~19日
アルガルヴェ・インターナショナル・サーキット
ポルトガル、アルガルヴェ地方ポルティマオ
Kessel Racing #57 Ferrari 296 LMGT3
Takeshi Kimura / Esteban Masson / Daniel Serra
最終ラップ、最終コーナーで消えたシリーズ優勝
怒涛の追い上げを見せ5位フィニッシュするも
ELMS 2024シリーズを2位で終える
遂にELMS最終戦をポルトガルで迎えた。57号車 KESSEL RACINGはシリーズトップで最終ラウンドに挑む。このラウンドは日曜日に年間表彰式を行う関係上、決勝は土曜日に行われることに。
KESSEL RACINGは2戦連続で優勝しているため、このラウンドではサクセスウエイトが45キロ追加され厳しいレースを強いられる。
TEST DAY
走行初日のこの日、午前のセッションは9時からスタートした。しかし前日から続く雨の影響で路面の状況は悪く、ここではセラがウェットタイヤを履き最初にコースへ出た。
車輌のトラブルや他車のコースアウトによる赤旗の影響でまともに計測できたラップはなく、そのままマッソンへ交代した。
マッソンは初めてこのコースを走るため、まずはコースに慣れるための走行から始めた。マッソンのスティントでは雨が止んだが、ここでも赤旗が出されてしまう。
セッション再開後、残り時間36分ほどのところで木村が出走。
ウェット走行が得意な木村はサクセスウエイト45kgのハンディキャップを物ともせず、ブロンズドライバートップタイムの2:00.142を計測する。しかしこのタイムは後にトラックリミットによりタイム抹消となってしまった。


午後のセッションでは木村の走行からスタート。路面は午後には完全に渇き、この日初めてドライコンディションでの走行となった。
木村は6周目に1:46.425を計測。まずまずの手ごたえを感じマッソンへ交代する。
マッソンは1分44秒~1分45秒台のタイムでコンスタントに走行。初めて走るコースとは思えないほど安定した走りを見せる。
このコースでの経験が豊富なセラへ交代後、5周目で1:43.394というこのセッションベストタイムを出すが、このタイムはLMGT3クラス11台中10番手タイムとなりウエイトの影響が顕著に出ていた。
最後に木村が再度出走。トラックリミットを何度か取られてしまったものの、同チームのプロドライバー2名とのタイム差が1~1.5秒ほどの好タイムで走行を続ける。
20周を超すロングランとなったが、木村の集中力は途切れることなくプロ同様のタイムを刻み続け決勝への可能性を覗かせた。
このセッションでの木村のベストタイムは1:45.377で、ブロンズドライバー6番手のタイムとなった。
PRACTICE
前日夜の土砂降りの雨が若干残る路面具合となったが、この日は1日を通して快晴が続いた。
このセッションではセラの走行から始まる。前日から若干のセットアップ変更を行ったのち、セラは初めてこのコースで新品タイヤを試す。そしてタイヤが温まった4周目に1:42.759という驚異的なタイムを叩き出し、このタイムは同クラストップタイムとなった。
マッソンの走行後、最後のスティントを木村が走る。このセッションでも木村は幾度かトラックリミットになってしまったが、それでも前日のテスト走行に続き安定したタイムで走行を続けることができた。
このコースで新品タイヤを投入するとタイヤの旨味が出てくるのは5,6周してからだと、テスト・フリー走行を通じて気づく。実際木村もこのセッションまでのベストタイム1:45.178を計測したのは新品タイヤへ交換後9周目だった。
ブロンズテストセッション開始後にFCYが導入されたがすぐに解除される。FCY解除後最初の1周目で1:45.096のベストタイムを出したが、トラックリミットによりこのタイムは抹消となる。
その後11周目に計測した1:45.222がこのセッションベストタイムとなり、セッションを終えた。


このコースは全長が約4.5kmと短く、また高低差が大きいコースとなっているため加速・減速の調整が難しい。そのため常に集中している必要があり、これがドライバーの体力を奪う。レースではいかに力みすぎないように走行するかがカギとなるようだ。
フリー走行2は木村からのスタート。予選前最後の走行となるため、前日までに学んだことをすべて出し切り、予選を想定したランプランをこなす。
木村は重量が増したFerrari 296LMGT3をコースに合わせて走らせる。ハンディキャップだと思っていたウエイトを利用する走らせ方を習得したのだ。
他車との接触もありペナルティを課されてしまったが、このセッションでの木村のベストタイムは1:44.933で、ここにきてやっと1分44秒台を記録することができた。
セラとマッソンが続けて走行したが、ペースは前日より上がらず。1:43.736のセラが記録したタイムがこのセッションのベストタイムとなり、木村が記録したベストタイムと1秒197差しかなかった。これは木村のタイムがプロドライバーと大差ないことを意味する。
QUALIFYING
午前中のセッションで好タイムをコンスタントに記録した木村は予選への自信を伺わせる。
予選ではタイヤの旨味を最大限に利用するため、タイヤ無交換の戦略でいくことに。
アタック序盤、落ち着いた走りで徐々にペースを上げていく。他車に前方を遮られることなくクリアなラップを重ねることができた。
そして4周目で今週最速タイムの1:43.944を記録。しかし残念ながらこのタイムはトラックリミットにより抹消されてしまった。仮にこのタイムが正式に記録されていれば同クラス7番手タイムであった。45キロのウエイトを積んでのこのタイムはチームを驚かせた。
最終ラップで記録した1:44.679が予選最速タイムとなり、木村は予選を9番手で終えた。


RACE
この日は絶好の秋晴れで、今週一番の暑さとなる。レース開始時の気温は24度、路面温度は32度ほどだった。
シリーズ優勝の条件として、59号車の前でチェッカーフラッグを受けることはマスト。
更に85号車 Iron Damesが今大会で優勝した場合、57号車は6位以上
63号車Iron Lynxが今大会で優勝した場合57号車は4位以上でチェッカーフラッグを受ける必要があった。
スタートはいつも通り木村が担当。2スティント連続で走行する計画だ。
レースは最終戦ということもあり荒れることが予想されたが、やはりその予感は的中。スタート2周目で早速VSC(ヴァーチャルセーフティーカー)が導入される。
その後木村も左リヤタイヤのスローパンクで緊急ピットインを強いられたことや、他車との接触等があったりしたが安定したタイムで走行を続け、45周で自身のスティントを終えた。


マッソンへ交代しピットアウト。この時点での57号車のポジションは8番手。ここから追い上げを試みるも、ウエイトのハンディキャップに加え車輌トラブル、度重なるSC(セーフティーカー)導入などでなかなか順位が上がらない。それでもマッソンは安定して1分44秒台のタイムで走行を続けた。
最後の望みをセラに託し88周目にマッソンからセラへ交代する。この時点で他車のほとんどが最後のドライバーへ交代をする。ここからが本当の勝負となる。
セラは8番手から前方を走る3台を捉え、5番手まで順位を上げてきた。この時点で85号車は引き続きトップを走る。このままチェッカーフラッグを受ければ57号車がシリーズ優勝となるが、この時エンジニアから「最後に85号車が63号車にポジションを譲る可能性がある」と示唆される。
そうなった場合、57号車がシリーズ優勝を果たすには4位以上でのフィニッシュがマストとなる。
セラは懸命に追い上げを試みるも、やはりウエイトが重く前方を走る50号車をオーバーテイクすることは難しかった。
最終ラップの最終コーナー、ここで85号車が63号車にオーバーテイクを許す。この瞬間57号車のシリーズ優勝の可能性が消えた。
57号車はそのまま5番手でチェッカーフラッグを受け、シリーズ2位という結果でELMS 2024年シーズンを終えた。


シーズンを振り返り、木村はこのようにコメントを残す。
「スパとムジェロでの優勝が今シーズンの一番のハイライトですが、同時に第1戦と2戦を落としたことが後に響いてしまったシーズンでした。シーズンを通じて平均的なパフォーマンスを出せていたら、恐らくシリーズ優勝できていただけに悔しい結果となりました。
しかし、最終戦の結果を見て思うのは、これが“レース”なんだ、と。ライバルたちは勝つためになんでもするのだ、と改めて感じました。ですが我々は相手に対し、そこまでさせるほど追い詰めることができたことにはとても満足しています。あの重い車輌で5位まで追い上げたのですから。
我々は本当に勝てるチームまで成長しました。来年は今シーズンの悔しさを糧に、シリーズ優勝を勝ち取ります!」
来年の木村のELMSでの活躍を楽しみにしていただきたい。

RESULTS
| Session | Position | Best Lap | Driver |
| Test Day – Morning | P5 (of 11) | 1:58.884 (wet) | E. MASSON |
| Test Day – Afternoon | P10 (of 11) | 1:43.394 | D. SERRA |
| Free Practice 1 | P1 (of 11) | 1:42.759 | D. SERRA |
| Bronze Test | P10 (of 11) | 1:45.222 | T. KIMURA |
| Free Practice 2 | P10 (of 11) | 1:43.739 | D. SERRA |
| Qualifying | P9 (of 11) | 1:44.679 | T. KIMURA |
| Race | P5 (of 10) | 1:43.296 | D. SERRA |
STANDINGS
| Position | Team | Total Points |
| 1 | Iron Lynx | 76 |
| 2 | Kessel Racing | 74 |
| 3 | Racing Spirit of Leman | 66 |
| 4 | Iron Dames | 65 |
| 5 | GR Racing | 64 |
| 6 | Formula Racing | 56 |
| 7 | Grid Motorsport by TF | 54 |
| 8 | AF Corse | 47 |
| 9 | Spirit of Race | 45 |
| 10 | Proton Competition | 39 |
| 11 | JMW Motorsport | 11 |





















