SUPER GT Rd1 岡山 レースレポート

暖かい陽気に包まれた公式テストとは打って変わって、朝は零度まで冷え込んだ岡山国際サーキット。

1月のしんしんと降り積もる雪の中から遠征を重ねてきた岡山は、寒空ではあるものの凛と澄んだ青空で僕らを迎えてくれた。

4月7日 土曜日 SUPER GT 公式予選当日 横溝のアタックでコースに滑り出すCARGUY ADA NSX GT3 積み重ねた練習とコンディションも近く、ドライバーもメカニックもQ1を突破する確信をもってマシンを送り出す。

SUPER GTはQ1とQ2の2度の予選で決勝のスタート順位が決まり、Q2に進出できる車はQ1のトップ14台となる。

シェイクダウンから3か月間、闇雲に走らせたわけでも、無駄に車を消耗させたわけでもない。

データの無い車を確実に、速く走らせられるためのノウハウを蓄積させた遠征の成果は確かなものだった。

良く曲がり、よく止まり、ストレートも速い。 Q1ベスト 1’26.008 横溝は木村へバトンを繋いだ。

Q2が始まるころには天候が急変し、先ほどまで雨雲レーダに映っていなかった雨が降り始めた。

あっという間に強まる雨脚にたまらずウェット宣言が発令される。

―――Q2開始。

木村はNSX GT3初のレインコンディション。

スタビのセットを変える。

ウラカンGT3では得意の雨。

木村の得意な岡山国際サーキット。

監督のケイ、Q1を終えた横溝も見守る中、アタックを始めたCARGUY ADA NSX GT3は順調にLAPを刻み、1’36.623でグリッドは11番手を獲得する。

木村武史にとってはレースデビューから3年目のSUPER GTへの挑戦。

チームは結成から1年にも満たない。

そんなチームが今年の目標でもあったQ1突破を早々に達成できたのは、木村の惜しむことのない努力の賜物でもあり、去年から大きく成長したチーム力と、チームを支えてくれる「cardano ADA」様をはじめとする多くの協賛企業のスポンサードを頂けてこそのものだ。

決勝レースへ向けてマシンは夜遅くまでメンテを行い、決勝は万全の体制で備えた。

決勝レース当日。

午前中はあられが降ったりと目まぐるしく変わる天気に決勝レースでの天候も心配されたが、レースが始まるころには再び青空が広がっていた。

300KMの決勝レースがスタート。

隊列を整えてスタートしたCARGUY ADA NSX GT3は、まずは横溝のドライブで決勝レースを迎えた。

スタート直後から激しいオーバーテイク合戦に揉まれ順位を若干落とすものの、ポジションを死守する横溝。

各車ピットに入り始めるころには一時4位まで上がり、ケイはピットインのタイミングを見計らうこととなる。

「タイヤは2本交換で行く」 ピットワークでの作戦も皆に伝えられ、39週でピットに戻ってきたCARGUY ADA NSX GT3 木村へのドライバー交代を終え、再びコースへと復帰する。

ライバルたちもクラッシュやトラブルでリタイアする中、木村は39秒台でコンスタントにLAPを刻んだ。

レースも残り10週ほどというタイミングで周回遅れの車両に引っ掛かり、GT500車両の追突でマフラーとディフューザーを大きく破損するが、車は安定して周回を重ねた。

チェッカーは15位で受けることが出来た。

開幕戦を無事に終え、初陣でまずまずの結果を残すことが出来たことは喜ばしい。

すぐさま今週末に控えた公式テスト鈴鹿へと、チームは休むことなく準備に取り掛かった。

目標は常に上方修正され、CARGUY Racingはさらにいい結果を目指して今年、SUPER GTへと挑む。

次戦はファクトリー所在地でもある御殿場・「富士スピードウェイ」 500kmの長丁場に挑みます。